眠りの科学とワタシの生活

睡眠関係のネタを、睡眠の専門医である2児のママが書いてます。

一般的な睡眠知識

「早起き」はいいこと? その意外な落とし穴

「早起き」はいいこと、そう思っていませんか? 「早起きは三文の徳」と、昔の人は言っていました。最近では、「朝活」という言葉を、よく見かけますね。 子どもたちに対しても、文部科学省と「早寝早起き朝ごはん全国協議会」が連携して、「早寝早起起き朝…

遮光性の低いカーテンを寝室に…と思い立ったが、探しにくかった

子どもが寝る部屋のカーテンは、遮光性の高くないものがおすすめです。 おすすめの理由 朝、日光が窓から部屋に差し込む環境にすれば、自然と目覚めやすくなります。睡眠や覚醒のタイミングをつかさどる体内時計の時刻合わせが、朝、強い光を浴びることによ…

『極論で語る睡眠医学』と、そこに寄せられた感想が面白かった

『極論で語る睡眠医学』という本を読みました。睡眠医学の分野にはこれまでありそうでなかった本で、大変面白かったです。 何がいいかというと、シリーズタイトルでもある「極論」にあたるかと思いますが、著者のキャラクター、体験、意見が文中にむんむんに…

「朝、起きにくい」 代表的な原因 3パターン

前回の記事の続きです。 前回:実はいろいろある「朝の起きにくさ」 - 眠りの科学とワタシの生活 さて、朝の起きにくさの原因は、大きく分けて3パターンあります。 1 睡眠不足である 2 夜型なのに早起きしようとしている 3 睡眠時無呼吸症候群や、周期性…

実はいろいろある「朝の起きにくさ」

「朝、起きにくい」という悩みをよく聞きます。病院に来る人にも多いし、雑談のついでに聞かれることも、割とあります。個人的にはこの悩みに縁がないこともあって、このブログにはこれまで書いていませんでしたが、よくある問題であることは確かなので、思…

睡眠不足のアナタに、年末年始の「寝だめ」のすすめ

年末になりました。 日頃、眠気や疲れやすさなど、睡眠不足が疑われる症状に悩んでいる方、正月休みこそは、ゆっくりと寝るチャンスですよ! 除夜の鐘を突きに行ったり、ご来光を見に行ったりするのは、心身が回復したあとの楽しみにとっておきましょう。実…

睡眠障害で病院にかかりたいときの、病院の探し方・選び方

睡眠時無呼吸症候群疑いの人が、どうやって受診する病院を見つければ良いか、という内容のエントリを以前に書きました。 夫のいびきが心配! 病院に行った方がいい? どうやって病院を探す? - 眠りの科学とワタシの生活 今回は、睡眠時無呼吸症候群以外の睡…

睡眠のためには、無理せずエアコンをつけた方がいい

今年度に入ってから何かと忙しく、すっかりブログの更新が滞っておりました。 でも、最近になって、1歳の次男が夜中に起きる回数が1~2回程度と、前よりまとめて寝てくれるようになってきたので、少し余裕が出てきました。また少しずつ更新していきたいと…

インフルエンザにかかるとなぜ眠い?

6か月の次男がインフルエンザにかかり、続いてわたし自身も高熱を出し、と余裕のない状況で、ブログ更新が滞ってしまっていました。さいわい、次男もわたしも、もう元気になりました。 ところで、インフルエンザなどの感染症にかかったときって、いつもより…

長時間睡眠の人は、病気のリスクや死亡率が高い傾向はあるけれど…

数々の疫学研究で、長時間睡眠(だいたい9時間以上くらい)の習慣がある人は、色々な病気などのリスクが高いという結果が出ています。 なぜそうなるのでしょうか? そして、すでに長時間寝ている人は、この結果をどう考えればいいのでしょうか? 長時間睡眠…

「睡眠時間を90分の倍数にする」のは、やめた方がいいと思う理由

「睡眠時間を90分の倍数にすると良い」という話をよく目にします。 睡眠の専門家を名乗っている人の中にも、そう言う人がいます。 でもわたしは、「論理的に考えてそれは違うだろう」と思っています。 なぜでしょうか? 「睡眠は90分の倍数が良い」派の意見…

年齢によって睡眠の質は変わるのですか?

「年齢によって睡眠の質は変わるのですか?」という疑問を、このブログを読んでくれているお友達からいただきました。 はい、変わるのですよ! 年をとるごとに 深い眠りは減り、 夜中に一瞬目を覚ます回数が増えていきます。 これは、特に睡眠の問題を自覚し…

あなたの睡眠時間、人に影響されていない? 最適な睡眠時間は人それぞれなのです

最適な睡眠時間って、人それぞれ違います。 大人だといちおう、7時間台の睡眠を取る人がいちばん健康的である、とする研究報告がいろいろあります。でもこれに基づいて「じゃあわたしも7時間睡眠にしよう」とか言うのは、正しくないんです。 それって、た…

眠れない夜には時計を見ないようにしましょう

なかなか寝られない夜。それとも、何度も目が覚めてしまう夜に。 「いま何時だろう」と、ついつい時計を見てしまうことはありませんか?これは、よく寝るためには、やめた方がいいことなんです。 なぜでしょうか?それは、時計を見ることが、余計なストレス…

一晩たっぷり寝るだけじゃ、寝不足は解消できないよという話

夕べは、久しぶりに9時間眠れて良い気分です。もちろん、ぶっ通しにではなく、3時間半ごとに次男に起こされながらですが…。 では、これまでの寝不足は、昨晩、長めに寝たことで帳消しになったのでしょうか? 残念ながら、そんなことはありません。 睡眠負債…

ちょっとうるさい! 夫のイビキに対する応急処置

うちのような、3-40代の夫婦による家庭で、夫のイビキが気になることがある…という妻は、けっこう多いのではないでしょうか? この年頃だと男性の方が女性よりイビキをかきやすいことと、女性の方が育児のためなどの理由で、夜中に目を覚ますことが多いこと…

なぜ布団の中で読書をしてはいけないのか

難しい本を読んでいるうちに、ついウトウトしてしまった経験は、多くの人があるのではないでしょうか。寝る前のリラックスタイムや、寝られない夜に本を読むことは、けっこうおすすめです。夜に読むには、「読まなきゃいけないけれどあまり楽しくはない」本…

睡眠研究者の多くは、実は枕のことを知らない

実は、枕や布団などの寝具のことはあまり知りません。わたしに限らず、睡眠の研究者のほとんどは、寝具を重視していないと思われます。 睡眠学の権威にはほぼ無視されている寝具 たとえば、睡眠医学の専門誌としては、一番影響力の大きいSLEEPという雑誌。年…

たとえ雨の日であっても、体内時計のためには外出した方がいい理由

今日は、全国的に天気の悪い日のようですね。わが家の周辺も、朝からどんより、薄暗いです。それでも、わたしと次男は、今日も、午前中のうちにお散歩に出ました。体内時計のリズムを整えるために、午前中に明るい光を浴びることがいくら必要だからって、こ…

毎日気持ちよく寝つくには、寝るための準備もたいせつです

昨夜は寝つきの悪い夜でした。原因はわかっているんです。寝る前の過ごし方が、いつもと違っていたからなのです。 昨夜は、仕事でずっとかかわっていたプロジェクトに関する大事な会議が開かれたので、夫に子どもたちを見てもらって、ちょっと顔を出してきま…

夜に光を浴びると、乳がんの危険が増える可能性があるという話

おはようございます。このごろは授乳間隔が開いてきて、昨夜の最初は、3時間半連続といつもより長めに寝られました。でも今朝は、食洗機に洗剤を入れずにスタートスイッチを押してしまいました。早めに気がついたから良かったですけど。寝不足ぼんやりが解…

ちょっとの睡眠不足でも、続いたら徹夜並みに作業効率が落ちる

先週から、ぼんやり具合がひどいです。スープの皿をひっくり返したり(幸い、中身はすでに冷めていました)、ガラスで出来た鍋の蓋を落として割ってしまったり。昨日なんか、気が付くと、カレーの鍋に火が点けっぱなしで、気が付かずに放置していました(冷…

10代におすすめの睡眠時間は、8~10時間!?

昨夜は、次男がめずらしく寝る前にぐずり、夜中もいつもより多めにうなっていました。 長男や夫のスケジュールの都合上、ふとんに入る時間や朝に起き出す時間は産前と変わっていません。次男に起こされる時間分、睡眠時間は減っている計算です。「早く、連続…

休日の遅寝は時差ボケを招く

わが家の4歳の長男は、休日にはまずお昼寝をしません。なので、休日は、平日より一時間は早く寝かせるようにしています。起きる時刻…は、本来、平日も休日も同じであることが望ましいのですが、平日が睡眠不足なんじゃないかと心配なので、ついつい、平日よ…