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眠りの科学とワタシの生活

睡眠関係のネタを、睡眠の専門医である2児のママが書いてます。

出産直後の睡眠教育で、母子の睡眠が改善する!? ―産後の睡眠について、英語の専門書を読んでみる (3)

さて、さらに専門書を読み進んだら、興味を惹かれる論文を見つけたので、そちらに寄り道です。

出産直後の母親に、産後の時期の赤ちゃんとお母さんの睡眠に関する教育を行ったら、教育しなかった群よりも、産後6週の時点で、お母さんも赤ちゃんも良く眠れた、という研究です(参考文献は文末)。

もっと詳しく説明します。


●研究が行われたのは、カナダの病院
●母子ともに元気で、赤ちゃんが第一子である30組の親子が調査対象。
●15組(介入群)には、産後の入院中に、母子の睡眠についての情報提供を45分間行い、11ページの冊子を渡した。退院後も、週1回、電話をかけて、睡眠についての相談にも乗った。
●残り15組(対照群)には、10分間のみの情報提供と、1ページの冊子を渡した。

すると、産後6週の時点で、対照群と比べて介入群では、いくつかの点で、統計学的に明らかな違いが見られました。


●介入群の方が、長く寝た(433分 vs 376 分)
●介入群の方が、睡眠に悩んでいる人が少なかった。
●介入群の方が、子どもが夜中に起きにくく、夜中に長く寝続けていた(217分 vs 171分)。

というわけで、もし、産後入院中に、産後の睡眠についての知識を伝えられたら、お母さんたちの睡眠の悩みは減るのかも!? という希望を感じさせられる研究結果なのでした。

でも、こういう情報提供を行うと、ただでさえ忙しいお産入院がますます忙しくなっちゃいますね(^^;
1対1で45分間の面談とか、週1回の電話連絡とか、この研究と同様に行うと、医療スタッフ側の負担も半端なさそうです。
だから、実現へのハードルは高いですが…。

(もっとも、研究の規模が小さいので、この研究結果を確かだと言うにはもっとたくさんの親子での検証が必要ですし、そもそもカナダの研究成果を文化の違う日本でも同様に使えるかはわかりませんが)

わたし自身は、今回の出産後6週の時点での自分と赤ちゃんの睡眠は、介入群の方の数値に近いかも。
まあ、この研究で、介入群に伝達されていた程度の知識はもともとあるわけです。なので、その知識を少しは実生活に生かさなくては残念ですものね。

参考文献:
Sleep. 2006 Dec;29(12):1609-15.A behavioral-educational intervention to promote maternal and infant sleep: a pilot randomized, controlled trial.Stremler R1, Hodnett E, Lee K, MacMillan S, Mill C, Ongcangco L, Willan A.