眠りの科学とワタシの生活

睡眠関係のネタを、睡眠の専門医である2児のママが書いてます。

10代におすすめの睡眠時間は、8~10時間!?

 

昨夜は、次男がめずらしく寝る前にぐずり、夜中もいつもより多めにうなっていました。

長男や夫のスケジュールの都合上、ふとんに入る時間や朝に起き出す時間は産前と変わっていません。次男に起こされる時間分、睡眠時間は減っている計算です。
「早く、連続5時間とか寝られるようになりたい…」
切実な願いです。

わたしはもともと睡眠時間が人並みよりも多めに必要な方です。一日平均睡眠時間が6時間という生活をしていた頃もありますが、そうすると、ちょっと座るだけでウトウト居眠りしてしまっていました。
今回の妊娠前の平均睡眠時間は7時間半くらい。このくらい寝られれば、ほとんど居眠りはしません。妊娠中には平均8時間半ほど。
最近は、こまぎれの睡眠を足して、平均6~7時間というところでしょうか。足りてても良さそうな数字ですが、眠くて疲れている自覚はあるので、やはりこの程度ではわたしには足りないようです。

必要な睡眠時間というのはほんとに人それぞれだし、同じ人であっても状況によって変わります。5時間で足りる人もいるし、9時間で足りない人もいる。
でもまあ、一つの目安として、このくらいの睡眠時間がおすすめなんじゃないですか? という指針を、今年、米国の国立睡眠研究所が出しました。

[推奨される睡眠時間]

0か月から3か月:14~17時間
4か月から11か月:12~15時間
1歳から2歳:11~14時間
3歳から5歳:10~13時間
6歳から13歳:9~11時間
14歳から17歳:8~10時間
18歳から25歳:7~9時間
26歳から64歳:7~9時間
65歳以上:7~8時間

 

この数字を、どう考えて使えばよいのでしょうか?

この睡眠時間通り眠れているという方は、そんなに多くはないのではないでしょうか。

とはいえ短い睡眠時間であっても、昼間に眠くなくて、元気に動けているという自信があるならば、それはそれで構いません。あなたは、短めの睡眠時間が最適なタイプなのかもしれません。

でも、「いつも眠い」「元気が出ない」と感じていて、かつ、睡眠時間が推奨より短いならば。
あるいは、お子さんが、学校で居眠りが多いことようだと気になっていて、やっぱり睡眠時間が推奨より短いならば。
それは、もっと長く眠る/眠らせてあげる方が良い、ということなのかもしれませんね。

科学的に検証されたおすすめの睡眠時間はこのくらい、と、一人でも多くの方の頭においていただくことで、つらい思いをしてまで短い睡眠時間でがまんする人や、子どもさんに短い睡眠時間を強いる人が減ってほしいなー、と、思っています。

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なお、どうやってこの数字が決められたのかについても、気になる方のために、簡単に説明しておきます。
まず、睡眠の専門家と、睡眠以外の医学の専門家が集まって、睡眠時間が健康に及ぼす影響についてのさまざまな論文のまとめ(実に論文312本分!)をみんなで読んだそうです。
そして、「この年齢層にはどのくらいの睡眠時間が適切か?」と投票しました。
投票結果を集計し、データ処理した結果、たくさんの専門家におすすめされた睡眠時間が、上記のようになったということです。
なので、この推奨睡眠時間は、一人の専門家とか、一つの研究だけをもとにした数字よりは、客観度が高いものと言えるでしょう。


参考文献:
National Sleep Foundation’s sleep time duration recommendations: methodology and results summaryHirshkowitz, Max et al.Sleep Health: Journal of the National Sleep Foundation , Volume 1 , Issue 1 , 40 - 43