どんな眠りが良い眠り? 子どもの「良い睡眠」3つの条件を考える
小学生~高校生くらいの子どもにとっての良い睡眠とは、どのようなものでしょう?
以下のような条件を満たしているものではないかと、わたしは考えます。
1.十分な睡眠時間がとれている
2.眠る時間帯にあまりばらつきがない。
3.睡眠の質が悪くない
順番に解説しますね。
1.十分な睡眠時間がとれている
睡眠時間が足りないと、授業中に眠くなりやすいし、成績も悪くなる傾向があるし、太りやすいし、落ち込んだりイライラしたりしやすいし、と散々です。
以前の記事にも書いたように、6歳から13歳に適正な睡眠時間は9~11時間
、14歳~17歳だと8~10時間と言われます。
2.眠る時間帯にあまりばらつきがない。(就床、起床ともにふだんから2時間以上ずれることがめったにない)
昼間は元気に活動し、夜は眠くなって休息できるよう、わたしたちの体内時計は働いてくれています。体内時計が「眠る時間だな」と認識する時間に寝ることが、すんなりと寝つき、かつ質の良い睡眠をとるために大切なことです。
ところが、日によって眠る時間帯がバラバラだと、体内時計の働きにもばらつきが出ます。同じ時間帯なのに、日によって、眠くなったり眠くなくなったりするのです。
週末に遅くまで寝過ごした次の月曜日の寝起きの悪さ、あれは、体内時計がちょっとずれて、ふだんの平日の起床時間を「まだ起きる時間じゃないよ」と認識してしまっているせいなんですね。
毎日安定して質の良い睡眠をとるためには、なるべく同じスケジュールで寝て起きるようにしましょう。
3.睡眠の質が悪くない
たとえば、睡眠時無呼吸症候群があると、睡眠中の無呼吸によって眠りが分断されるので、睡眠の質が悪くなります。寝ている間のいびきが大きく、呼吸が苦しそうな子は、専門的な医療機関で検査をすることがおすすめです。
ほかに睡眠の質を悪化させる原因としてとてもよくあるものは、電子機器です。スマホやパソコン、ゲーム機、テレビなどを寝る直前の時間帯にじーっと眺めていると、光によって、メラトニンの分泌が障害され、眠気が来にくくなります。寝る前にスマホを使う頻度が高いほど、夜中に目が覚めたり、自覚的な睡眠の質が悪くなったりする傾向があるという研究報告もあります (Munezawa et al., SLEEP 2011;34(8):1013-1020)。
では、子どもが良い睡眠をとるためには、まわりの大人はどんなことに気を付ければいいのでしょうか? そのことを次回は書きたいと思います。