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眠りの科学とワタシの生活

睡眠関係のネタを、睡眠の専門医である2児のママが書いてます。

うつぶせ寝の危険度はどのくらい ~寝るときの姿勢とSIDSの関係

子どもの睡眠
SIDS(乳幼児突然死症候群)予防のためには、赤ちゃんのうつぶせ寝を避けることが強く推奨されていますが、実際、どのくらい、危険なのでしょうか?
 
というのは、このところ、次男が自ら好んでうつぶせになって眠ることが増えているのです。あおむけで寝始めたはずなのに、夜中に気づいたらうつぶせで寝ている、という場合もあります
 
なので、次男がうつぶせで寝付きたがる場合は、ぐっすり眠るまで待ってあおむけにチェンジしています。夜中にうつぶせになっていた場合は、気がついた時点であおむけにします。そのせいで、目を覚まされてしまうこともありますが、仕方ない。
 
でも実際問題、数値で言えば、どの程度危険なのでしょう? そこが気になってきたので、今回論文を調べてみました。
 
こういうとき便利なのが、「システマティックレビュー」というタイプの論文です。ある特定のお題、この場合は「うつぶせ寝とSIDS」について、すでに刊行された多数の論文を、その分野の研究者が集めて読み込んで、まとめた結論を出してくれるというものです。
 
今回読んだのは、1940年から2002年までに刊行されたSIDSとうつぶせ寝に関する論文40本をまとめた、システマティックレビューの論文です。
 
この論文によると、学術論文の世界では、1988年頃まで、うつぶせ寝、横向き寝、あおむけ寝、それぞれに与する研究者がいたようですね。しかし、SIDSと寝るときの姿勢の関係に皆が気づき出した1990年頃から、あおむけ寝推奨が完全に主流となりました。
 
しかしまあ、1970から80年代頃にかけて、他の原因による乳児死亡率は下がっていたのに、SIDSと窒息による乳児死亡率は下がらなかったのですって。ところが、1990年頃に、赤ちゃんを仰向けに寝かせようというキャンペーンが張られてから、急速に、しかもはっきりと、SIDSによる死亡が減ったのですね。
 
で、さまざまな論文の結果をまとめた数値として、うつぶせ寝は、あおむけ寝よりも、4.92 倍、SIDSの危険が高いということです。やはりというか、それなりに高いなあ。
 
もちろん、SIDで亡くなる子自体が、全体からすればごく少数(論文に出てくるグラフでは、あおむけ寝が推奨される前でも、SIDSで亡くなった子の割合は、ヨーロッパ各国や米国において出生した赤ちゃん1000人対1~4人くらい)ですから、子どもがうつ伏せで寝ていたら何があっても姿勢を変えなければ…! とか、うつ伏せにならないよう夜通し起きて見張っていなければ…! とか、お母さんが消耗するほどの対策はしないでよいのではないかと思いますが、できるだけあおむけで寝かせるのが安全、というのは、やはり間違いがないようですね。
これからも、うちの子がうつぶせになっていたら、そのままで寝かせないように気をつけたいと思います。
 
さていまこの文は、早朝に一人で起き出して書いているので、このあと次男の様子を確認しに行ってきます。
 
参考文献:
Int J Epidemiol. 2005 Aug;34(4):874-87. Epub 2005 Apr 20.
Infant sleeping position and the sudden infant death syndrome: systematic review of observational studies and historical review of recommendations from 1940 to 2002.
Gilbert R, Salanti G, Harden M, See S.