眠りの科学とワタシの生活

睡眠関係のネタを、睡眠の専門医である2児のママが書いてます。

この眠気、放っておいて良い? 危ない眠気の見分け方

この間の記事で書いたように、「昼間の眠気」にもいろいろな強さがあります。
 
 
自分の眠気が、何か手を打った方が良いものなのか、放っておいて良いのか、どこで見分ければよいでしょうか?
 
上の記事と内容が重複する部分はありますが、以下を参考にしてみてください。
 

気をつけた方がいい眠気

 
一般的には、何か手を打った方が良い眠気の特徴は、以下の通りです。
 
  • 生活に支障が出る眠気
  • 社会の安全がおびやかされる眠気
  • いびきを伴う眠気
 
このどれかに当てはまったら、眠気を減らす工夫が必要です。
 
順番に解説しますね。
 

1.生活に支障が出る眠気

生活に支障が出るとは、たとえばこんな場合です。
「居眠りを治さないと解雇すると言われている」
「居眠りのせいで先生に怒られている」
「眠いせいで授業についていけない」
「お客さんと話している最中に眠りそうになってしまう」
「眠すぎて家事も育児も回らない」
 
眠気を訴えて病院に来られる方は、生活に支障が出て切羽詰っている場合がとても多いです。

2.社会の安全がおびやかされる眠気

たとえばこんな場合です。
「運転しながら、ウトウトしてしまうことがある」
「眠気のせいで事故を起こした経験がある」
「業務で危険な機械を扱っており、眠ったら危ない」
「人命にかかわる仕事をしており、眠気のせいで判断が鈍ったら危ない」
 

3.いびきを伴う眠気

いびきは睡眠時無呼吸症候群の徴候なので、この場合、眠気の原因として、睡眠時無呼吸症候群が疑われます。睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に呼吸停止を繰り返します。そのため睡眠の質が悪くなって、日中にとても眠くなる場合があるのです。
重症の睡眠時無呼吸症候群を治療せずに放っておいた場合、心臓病や脳卒中などさまざまな病気の危険が増えます。適切な治療によりこの危険は少なくできるので、睡眠時無呼吸症候群かも? と思う場合は、検査のできる病院を受診しましょう。
 

放っておいても良い眠気

上に挙げた「気をつけた方がいい眠気」のどれにも当てはまらない場合、基本的には様子を見るということでかまいません。
その眠気のせいで暮らしにくくなっているわけでもないし、自分や他の人が危険にさらされているわけでもないからです。
 
ただ、眠気自体は極端に強くはなくても、眠気の背景に内科や精神科の病気が隠れている場合もあります。眠気以外に自覚している症状がなければまず心配ないとは思われますが、心配な人は病院で相談してみましょう。