眠りの科学とワタシの生活

睡眠関係のネタを、睡眠の専門医である2児のママが書いてます。

2016-01-01から1年間の記事一覧

睡眠不足のアナタに、年末年始の「寝だめ」のすすめ

年末になりました。 日頃、眠気や疲れやすさなど、睡眠不足が疑われる症状に悩んでいる方、正月休みこそは、ゆっくりと寝るチャンスですよ! 除夜の鐘を突きに行ったり、ご来光を見に行ったりするのは、心身が回復したあとの楽しみにとっておきましょう。実…

なぜ子どもに夜更かしさせてはいけないの? その理由を解説してみる

子どもを早寝させましょう、とはよく聞くところですよね では、なぜ、夜更かしさせることがいけないのでしょうか? 今回は、その理由を簡単に解説します。 睡眠不足になるから これが一番の理由です。 遅く寝る子ほど、1日の合計睡眠時間が少なくなる傾向が…

23時ごろまで寝ない未就学児を早く寝かせるための4つの作戦

睡眠が専門の仕事をしていると、会ったばかりの方から、あいさつがわりのように、睡眠の悩みを相談されることがよくあります。 とくに、「子どもが、早くに寝かせたいのに寝てくれない」という悩みは割とよく聞きます。そこで今回は、「まだ未就学児なのに毎…

眠れない夜は、楽しく過ごすことにしています ~不眠に生活を振り回さないために

日頃、睡眠不足が長めに必要な、眠くなりやすいタイプであることを公言しているわたしですが、実は、不眠傾向も多少あります。30歳を超えた頃から、気になるようになってきました。 だいたいの日は、5分くらいでストンと寝付くのです。ところが、なかなか眠…

子どものおねしょの原因がストレスなのか、気になって調べてみた

長男5歳のおねしょ騒動 久々に、子どもの話をします。 我が家の長男は、現在5歳。4歳になってほどなくして夜のオムツがとれて、それ以降の約1年間、ほぼ一度も失敗していませんでした。 しかし、今年の夏のこと。わずかひと月ほどの期間の間に、立て続けに3…

睡眠不足の方が風邪をひきやすいことを証明した実験の話

急に寒くなったこの時期、風邪をひきやすいですね! 我が家では、長男が先週高熱を出し、その後、わたしや夫も似たような風邪になりました。いま気になるのは、まだその風邪にかかっている様子のない次男のこと。長男のように急に高熱を出すのではないか…? …

長時間労働について、睡眠障害を診る立場から思うこと

巷では長時間労働による過労死が話題になっていますが、睡眠のためという観点から、長時間労働に関して日ごろ考えていることを記しておきます。 それは、睡眠のためにも、長時間労働という慣行は、ぜひなくなって欲しい、ということです。 患者さんと話して…

居眠りをよくする人に、「やる気がない」とは、専門医のわたしは思わない

眠気とやる気の関係について、どう言えばいいのか、ずっともやもやしていました。 本ブログに対していただいたコメントに対して回答したことをきっかけとして考えがまとまったので、書いておきます。 なお、この内容は、これまでの診療の経験などから生じた…

睡眠障害で病院にかかりたいときの、病院の探し方・選び方

睡眠時無呼吸症候群疑いの人が、どうやって受診する病院を見つければ良いか、という内容のエントリを以前に書きました。 夫のいびきが心配! 病院に行った方がいい? どうやって病院を探す? - 眠りの科学とワタシの生活 今回は、睡眠時無呼吸症候群以外の睡…

家族も同席した方が良いのでしょうか? ~睡眠障害で病院を受診するとき

睡眠障害の患者さんを診ているときに、ご家族も診察室にいたらいいのに、と思うことがときどきあります。 たとえば初診の方で、睡眠中の行動や、いびきが問題である場合です。 寝ている間に歩き回ったり食べたりしていることを、往々にして、ご本人は覚えて…

睡眠時無呼吸症候群がある人で、突然死の危険はどのくらい上がるのか

夜中に息が止まって、そのまま死んでしまうということはあるのでしょうか? 最近、夫が睡眠時無呼吸症候群だという複数の方から、「夫の睡眠時無呼吸がひどくて、そのまま呼吸が止まってしまうのではないかと心配で、自分が眠れない」という訴えを聞きました…

睡眠のためには、無理せずエアコンをつけた方がいい

今年度に入ってから何かと忙しく、すっかりブログの更新が滞っておりました。 でも、最近になって、1歳の次男が夜中に起きる回数が1~2回程度と、前よりまとめて寝てくれるようになってきたので、少し余裕が出てきました。また少しずつ更新していきたいと…

うつぶせ寝の危険度はどのくらい ~寝るときの姿勢とSIDSの関係

SIDS(乳幼児突然死症候群)予防のためには、赤ちゃんのうつぶせ寝を避けることが強く推奨されていますが、実際、どのくらい、危険なのでしょうか? というのは、このところ、次男が自ら好んでうつぶせになって眠ることが増えているのです。あおむけで寝…

次男の「夜泣き」問題 その後

保育園が変わった直後、夜中に2回3回と起き出すようになっていた次男の「夜泣き」問題は、気がつくといつの間に落ち着き、夜中の2時ごろに一度だけ目を覚ましたらあとは朝までしっかり寝てくれるようになりました。 ただし、もはやベビーベッドでは寝てくれ…

保育所が変わった8か月次男の「夜泣き」問題

いまさらですが、新年度ですね。 わが家の8か月の次男は、4月から保育所が変わりました。そのせいか、次男の睡眠習慣が変化して、ちょっぴり困っているところです。 具体的にどういうことか説明します。 3月までの次男の夜の睡眠は、かなり「いい子」だった…

眠っている間に食べている ~睡眠関連摂食障害の話

朝起きると、食べた覚えのないポテトチップの空袋が転がっている。 一人暮らしなのに、知らない間に使った痕跡が台所にあり、よくわからない料理が食卓に乗っている。 食事制限が厳しいダイエットを送っているのに、気がつくと冷蔵庫の食べ物がどんどん減り…

インフルエンザにかかるとなぜ眠い?

6か月の次男がインフルエンザにかかり、続いてわたし自身も高熱を出し、と余裕のない状況で、ブログ更新が滞ってしまっていました。さいわい、次男もわたしも、もう元気になりました。 ところで、インフルエンザなどの感染症にかかったときって、いつもより…

長時間睡眠の人は、病気のリスクや死亡率が高い傾向はあるけれど…

数々の疫学研究で、長時間睡眠(だいたい9時間以上くらい)の習慣がある人は、色々な病気などのリスクが高いという結果が出ています。 なぜそうなるのでしょうか? そして、すでに長時間寝ている人は、この結果をどう考えればいいのでしょうか? 長時間睡眠…

赤ちゃんが寝る前に頭をブンブン振る動き。その正体は? ~睡眠関連律動性運動

次男は生後6か月になりました。最近は、夜8時頃にベビーベッドに寝かせたら、そのまま文句を言わずに寝ついてくれる日が増えてきました。その次に目を覚ますのが、だいたい2時から4時頃。オムツを替えて授乳して、もうひと眠り。ただし、昼間にはあまり…

子どもにすんなり寝てもらうための、朝からの過ごし方

前回(どんな眠りが良い眠り? 子どもの「良い睡眠」3つの条件を考える)の続きです。 子どもに夜更かしをさせず、質の良い睡眠をとるためには、寝るための環境を親が意識的に整えることも大事です。 そのために重要なことをご紹介しますね。 1.寝過ごさ…

どんな眠りが良い眠り? 子どもの「良い睡眠」3つの条件を考える

小学生~高校生くらいの子どもにとっての良い睡眠とは、どのようなものでしょう? 以下のような条件を満たしているものではないかと、わたしは考えます。 1.十分な睡眠時間がとれている 2.眠る時間帯にあまりばらつきがない。 3.睡眠の質が悪くない 順…

中高校生の就寝時間を親が早めに設定してあげることが、うつの予防になるらしい

子どもを持つ親ならば、きっとほとんどの方が、自分の子どもがニコニコと元気に生活することを願っていると思います。 しかし、思春期は、子どもの内面に嵐の吹き荒れる時期。子ども気分が落ち込んでうつ状態となったり、自殺を考えたりするのも決して稀なこ…

「夜中のトイレのあとで眠れない」を予防するためにわたしがしていること

夜中にトイレなどに起きたあとで眠れなくなってしまう原因のひとつは、照明なのではないかと思います。とくに最近よく使われているLEDライトは、昔ながらの白熱灯に比べて、まぶしさが直線的な感じというか、目が覚めやすい感じがしますね。 わたしは次男を…

36時間断眠させる実験でわかったこと ~睡眠不足にどの程度弱いかは、人によって違う

睡眠不足だと、頭の働きが落ちることは、だれしも体感されていると思います。 でも実は、どのくらい睡眠不足でどのくらい頭の働きが落ちるかは、人によって違うんですよ。頭のどんな働きがとくに落ちるかということも、人それぞれです。 睡眠時間に個人差が…

最近は寝つきが良くなった、4歳の長男

最近は、4歳の長男は割とすんなりと寝てくれています。以前のように、22時過ぎまで目を開けていてさわぐということはありません。 保育所に行く平日は、21時-21時半に寝て6時10分起き。この正月休みは、家では昼寝しないので夜の睡眠を伸ばして、20時-20時…

睡眠の医者であるわたしとカフェインの付き合い方

カフェインは、健康にいいという話もいろいろありますが、わたし自身は、ふだんは、なるべくカフェインを控えるようにしています。 その理由は大きくわけて3つあります: カフェインを連日つかうと、耐性ができて目覚め効果がにぶくなる とる時間帯によって…