眠りの科学とワタシの生活

睡眠関係のネタを、睡眠の専門医である2児のママが書いてます。

2015-01-01から1年間の記事一覧

やせれば睡眠時無呼吸は治りますか?

答え:人によります。 目次 1.太っている方が、睡眠時無呼吸症候群になりやすいのは確か 2.やせていても睡眠時無呼吸症候群になりやすいタイプがある 3.やせることで睡眠時無呼吸が治る人もいる。やせても重症の睡眠時無呼吸のままの人もいる 1.太っ…

睡眠時間が多めに必要なわたしの、最近の時間のやりくり

わたしみたいに眠気が強くて体力がないタイプの方、夜に「今日できなかったあれもしよう、これもしよう」と頑張ろうとしても、疲れて、ついついダラダラすることに時間を使って寝るのも遅くなって、次の日さらに疲れて…という悪循環に陥ってしまうことはあり…

次男生後4カ月、赤ちゃんとわたしの最近の睡眠     

次男は4か月になりました。 最近は、夜に次男がわたしを起こす回数はだいたい1回にまで減り、助かっています。 次男は、3か月を過ぎる頃までは、夜中でもかなり規則正しく3-4時間ごとに起きてくる子でした。オムツ替えと授乳さえすれば、すぐにまたサ…

「睡眠時間を90分の倍数にする」のは、やめた方がいいと思う理由

「睡眠時間を90分の倍数にすると良い」という話をよく目にします。 睡眠の専門家を名乗っている人の中にも、そう言う人がいます。 でもわたしは、「論理的に考えてそれは違うだろう」と思っています。 なぜでしょうか? 「睡眠は90分の倍数が良い」派の意見…

年齢によって睡眠の質は変わるのですか?

「年齢によって睡眠の質は変わるのですか?」という疑問を、このブログを読んでくれているお友達からいただきました。 はい、変わるのですよ! 年をとるごとに 深い眠りは減り、 夜中に一瞬目を覚ます回数が増えていきます。 これは、特に睡眠の問題を自覚し…

夫のいびきが心配! 病院に行った方がいい? どうやって病院を探す?

夜中にいっしょに寝ている夫(もしくは妻とか父とか母とか)のいびきが大きいと、気になりますよね。呼吸が止まっているところを目撃でもしたら、さらに心配にもなることでしょう。 いびきが大きい人は、睡眠時無呼吸症候群という病気である可能性があります…

産後3カ月、睡眠時間を増やしてみた。そうしたらわたしに起こったこと

さて、前回の記事でも書いたように、産後の職場復帰に合わせて、10月頃から意識的に睡眠時間を増やすようになりました。産後直後は一晩あたり6時間前後の睡眠でしたが、最近は、授乳やオムツ替えの時間を差し引いてもだいたい一晩あたり8時間くらい眠って…

産後3カ月で仕事復帰したわたしが、眠くならないためにしていること

今月から、パートタイムでではありますが、仕事復帰しました。 うちの次男は、夜中にだいたい2回ほど泣いて、親を起こしにかかります。オムツ替えと授乳さえすればだいたいすぐまた寝てくれますが、その世話のために、合計1時間とられます。睡眠をその都度…

この眠気、放っておいて良い? 危ない眠気の見分け方

この間の記事で書いたように、「昼間の眠気」にもいろいろな強さがあります。 実はこんなに違いがある、「昼間の眠気」の感じ方 - 眠りの科学とワタシの生活 自分の眠気が、何か手を打った方が良いものなのか、放っておいて良いのか、どこで見分ければよいで…

実はこんなに違いがある、「昼間の眠気」の感じ方

ひと口に「昼間に眠い」と言っても、その中身はさまざまです。 それゆえに、もともと眠気が強い人の言う「眠い」と、ふだん眠気に困っていない人の思い浮かべる「眠い」は一致していないんじゃないかと思うことがあります。眠気の強い人が誤解されやすいのは…

あなたの睡眠時間、人に影響されていない? 最適な睡眠時間は人それぞれなのです

最適な睡眠時間って、人それぞれ違います。 大人だといちおう、7時間台の睡眠を取る人がいちばん健康的である、とする研究報告がいろいろあります。でもこれに基づいて「じゃあわたしも7時間睡眠にしよう」とか言うのは、正しくないんです。 それって、た…

アメリカ流の寝かしつけを、わが家が第二子で挫折した話

チマチマと読んできた英語の専門書(Sleep Medicine Pealrs 3rd edition)が、「子どもの行動性不眠症」という箇所にさしかかりました。 このところ、長男の寝つきの悪さに悩んでいるわたしとしては、「おっ」と思って読むわけです。でも…あまり参考にならなか…

昨夜は早く寝られた4歳の息子! 理由をまじめに検証してみる

昨日の続きです。 昨日の記事: 4歳息子の寝つけなさの原因と対策をまじめに考えてみた - 眠りの科学とワタシの生活 さて、昨日は長男、早くに寝ました! と言っても21時頃ですが。まあ、この数日、22時過ぎまでぐずぐず寝なかったことを思えば、かなりの改…

4歳息子の寝つけなさの原因と対策をまじめに考えてみた

この数日、4歳の長男がますます寝ません。やっと寝かしつけが終わったと思っても、ぱっちりと目を開けたまま、布団の中で話し続けるんです。 「お目目とお口を閉じなさい」とこっちが言うと、しばらくぎゅうっと目をつむっているのですが、ほどなくして「目…

「眠ろう」って決意するだけで、睡眠時間を増やせるわけじゃない

前回までの話の続きです。 前々回の記事はこちら↓ ハタチの頃、だれもが自分みたいに眠いんだろうと思い込んでいた - 眠りの科学とワタシの生活 前回の記事はこちら↓ 自覚がないのに寝不足だった ~行動誘発性睡眠不足症候群だったわたし - 眠りの科学とワタ…

自覚がないのに寝不足だった ~行動誘発性睡眠不足症候群だったわたし

前回書いたように、10代から20代にかけてのわたしは、とにかく眠い、居眠り常習犯でした。 ハタチの頃、だれもが自分みたいに眠いんだろうと思い込んでいた - 眠りの科学とワタシの生活 では、今はどうか? 幸い、最近はそれほど眠気に困らず生活できるよう…

ハタチの頃、だれもが自分みたいに眠いんだろうと思い込んでいた

わたしは、居眠りの常習犯でした。 徐々に眠気が強くなっていった10代の頃 学校での眠気の記憶で一番古いのは、小学校高学年の頃。社会科の授業のときに、ノートを取ろうとして、眠気のために文字がぐにゃぐにゃになってしまった、そんな思い出です。 中学生…

眠れない夜には時計を見ないようにしましょう

なかなか寝られない夜。それとも、何度も目が覚めてしまう夜に。 「いま何時だろう」と、ついつい時計を見てしまうことはありませんか?これは、よく寝るためには、やめた方がいいことなんです。 なぜでしょうか?それは、時計を見ることが、余計なストレス…

一晩たっぷり寝るだけじゃ、寝不足は解消できないよという話

夕べは、久しぶりに9時間眠れて良い気分です。もちろん、ぶっ通しにではなく、3時間半ごとに次男に起こされながらですが…。 では、これまでの寝不足は、昨晩、長めに寝たことで帳消しになったのでしょうか? 残念ながら、そんなことはありません。 睡眠負債…

ごあいさつ

このブログを始めてから約1ヶ月がたちました。見切り発車で始めた企画でしたが、なんとか継続することができ、少しずつ中身も増えてきました。そこで今さらながら、ごあいさつの記事も作るべきだろうと、思い立ちました。 プロフィールにも書いたように、わ…

ちょっとうるさい! 夫のイビキに対する応急処置

うちのような、3-40代の夫婦による家庭で、夫のイビキが気になることがある…という妻は、けっこう多いのではないでしょうか? この年頃だと男性の方が女性よりイビキをかきやすいことと、女性の方が育児のためなどの理由で、夜中に目を覚ますことが多いこと…

ベビーベッドで寝るのは、実は難しいんじゃないかと思っている

さて、昨日は、大人がサクッと眠れるための秘訣として、寝床の中で読書とかスマホとか、とにかく睡眠以外の行動をとるのはいけませんよー、という話をしました。 睡眠以外の行動を寝床の中でとっていると、寝床が睡眠と結びつきにくくなって、布団に入っても…

なぜ布団の中で読書をしてはいけないのか

難しい本を読んでいるうちに、ついウトウトしてしまった経験は、多くの人があるのではないでしょうか。寝る前のリラックスタイムや、寝られない夜に本を読むことは、けっこうおすすめです。夜に読むには、「読まなきゃいけないけれどあまり楽しくはない」本…

結局せんべい布団はダメなんじゃないかと思い始めた

一昨日からせんべい布団で寝ているんですが、結局、新しい布団を買おうかと考え始めました。 一昨日の記事→SIDS予防のため、せんべい布団で寝ることにした顛末 なぜかというと、せんべい布団でも結局布団は布団、どれだけへたれていても、表面には柔らかさが…

睡眠研究者の多くは、実は枕のことを知らない

実は、枕や布団などの寝具のことはあまり知りません。わたしに限らず、睡眠の研究者のほとんどは、寝具を重視していないと思われます。 睡眠学の権威にはほぼ無視されている寝具 たとえば、睡眠医学の専門誌としては、一番影響力の大きいSLEEPという雑誌。年…

SIDS予防のため、せんべい蒲団で寝ることに決めた顛末

昨日は、アメリカ小児科学会が2011年に出した、乳幼児突然死症候群(SIDS)予防のための勧告(参考文献は文末)を読んでいました。そしておそれおののいたわたしは、その晩からさっそく、赤ちゃんの寝る環境を変えたのでした。何が書いてあったのでしょうか? …

主婦向け雑誌サンキュ!のひそやかな正しさ

「ていねいな暮らし」に対する関心が限りなく低いわたしが、主婦雑誌「サンキュ!」(2015年11月号)を買ってみましたよ。 わたしにとって、家とは、暮らすのに必要な広さと機能があれば、十分なもの(インテリア、何それ?)。料理とは、バランスよく栄養を…

たとえ雨の日であっても、体内時計のためには外出した方がいい理由

今日は、全国的に天気の悪い日のようですね。わが家の周辺も、朝からどんより、薄暗いです。それでも、わたしと次男は、今日も、午前中のうちにお散歩に出ました。体内時計のリズムを整えるために、午前中に明るい光を浴びることがいくら必要だからって、こ…

母乳育児の方が、ミルクよりも、母親の睡眠のためにはいいらしい

昨日の日中は、いつになく次男の授乳間隔が開いて、よしこの調子で夜も…! と期待していたら、夜はむしろいつも以上に頻繁に起こされました。がっくり。まあ、赤ちゃんにしてみれば、昼間にあまりおっぱいを飲まないでよく寝た分、夜はもっとがっつきたくな…

毎日気持ちよく寝つくには、寝るための準備もたいせつです

昨夜は寝つきの悪い夜でした。原因はわかっているんです。寝る前の過ごし方が、いつもと違っていたからなのです。 昨夜は、仕事でずっとかかわっていたプロジェクトに関する大事な会議が開かれたので、夫に子どもたちを見てもらって、ちょっと顔を出してきま…