『極論で語る睡眠医学』と、そこに寄せられた感想が面白かった
『極論で語る睡眠医学』という本を読みました。
睡眠医学の分野にはこれまでありそうでなかった本で、大変面白かったです。
そして、この本にamazonで寄せられたレビューが、また、興味深かったです。
小児科医とおぼしき、kamekurasanという方によるレビューです:
---(レビューからの引用はじめ)------
本書において、思春期児童の睡眠障害について触れた章の中で筆者はこう述べます。
「10代に朝型を強制するのは犯罪行為である」
これだ!と我が意を得た思いで打ち震えました。しかもエビデンスがある!
「朝起きられないのは甘え」「だらしない」「怠けるな」「しつけが悪い」「学校くらいいけないとだめだ」「こんなことでは将来真っ暗だ」・・・そんなことを言われて傷つき不安になり、さらに睡眠に異常をきたす思春期児童のなんと多いことか。もちろん甘えでも怠けでもしつけのせいでもありません。
読了後には自信を持って言えます、「起きられなかったら眠ってていいよ」と。
---(引用おわり)------
本ブログにおいて、今まで何度か、「居眠りしていると怠けていると言われる」問題について書いてきましたが、実は、「朝起きられない」睡眠障害も、同様の問題をはらんでいます。
すなわち、まさにこのレビュワーの方が書かれたように、「朝起きられないのは甘え」「だらしない」「怠けるな」…そう言われた子たちのなんと多いことか。そしてそのように言い放つのは、上にも指摘されているように、まったく本人のためにならないことなのです。
わたしのように睡眠障害を診ることを専門とするものだけでなく、やはり小児科医の先生も同様の現象を目撃していらしたのだとわかりました。分野が違っても同じ体験をしていたという意味ではうれしいような、睡眠障害の当事者の方を思うと残念なような…。