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眠りの科学とワタシの生活

睡眠関係のネタを、睡眠の専門医である2児のママが書いてます。

自覚がないのに寝不足だった ~行動誘発性睡眠不足症候群だったわたし

わたしの話 日中の眠気
前回書いたように、10代から20代にかけてのわたしは、とにかく眠い、居眠り常習犯でした。
 
 
では、今はどうか? 幸い、最近はそれほど眠気に困らず生活できるようになっています。
講演や講習会などでも、7割くらいの確率で、一度も眠らずに最後まで聞きとおせるようになりました。
 
何が良かったのでしょうか? わたしの場合、ひとえに、
ちゃんと長く寝るようにしたこと
に尽きます。

普通の生活を送っていた、はずだった

とはいえ、もともとの睡眠時間が極端に短かったわけではありません。
高校生の頃、平日の睡眠時間は6~7時間でした。
大学生の頃もだいたいそんなものだったと思います。
 
この睡眠時間は、まあ、普通並みです。
わたしがかかわったことのある研究でも、高校生の平日の平均的な睡眠時間はだいたいそのくらいという結果でしたし、診察室で高校生の患者さんと話しているときにも、このくらいが標準ととらえられているようだなと感じます。
だからこそ、当時のわたしも、「このくらい寝れば十分だろう」と、何の疑問も持たずにいたわけです。
 
(もっとも、以前のエントリーにも書いたように、10代に推奨される睡眠時間は、実際のところ8~10時間とされているのですけどね。

人並みの睡眠時間じゃ足りなかった

自分の眠気の原因が睡眠不足であると、本当に理解したのは、やっと大学生活も終わる頃です。国家試験準備のため、登校する必要がなくなって、毎日マイペースに、自宅で、もしくは仲間と勉強していた時期でした。
好きなだけ眠れるけど、試験を控えているから極端に生活リズムを乱すわけにもいかない、そんな状況です。
 
このときすでに、睡眠医学を多少かじっていたこともあって、長めに寝てみることを意識してみました。12時頃に寝付いて、特に目覚ましを使わずに、自然に起きられるまで待つのです。
すると目が覚めるのは8時半頃になりました。
その生活を続けていると、眠気が軽く、調子がよくなってくるのがわかりました。
それでやっと、「そうか、わたしには、8時間以上の睡眠がベストなんだ」と納得しました。
いままで眠かったのは、睡眠不足からだったんだ、と。
 
必要な睡眠時間って、人によって違います。
わたしの場合は、人並みよりやや長い睡眠時間が必要で、なのに人並みにしか寝ていなかったから相対的に睡眠不足になって、かなりきつい眠気が出ていた、というのが真相のようです。

あなたも、となりの人も、睡眠不足症候群かも?

わたしが置かれていた状態は、専門用語で、行動誘発性睡眠不足症候群、と呼ばれるものです。
睡眠不足によるさまざまな心身の不調が出る割に、睡眠時間を削っている本人は、睡眠不足のせいだと気がついていなことが特徴です。
 
わたしの眠気は睡眠不足のせい。
文章にするとすごく単純ですが、眠気が日常となってから原因に気がつくまで、実に十年以上かかりました。
思春期~青年期の十年です。
この問題と折り合いをつけて暮らせるようになるまで、それからさらに数年かかりました。
あまり考えないようにはしているけれど、居眠りしていたせい、あるいは眠かったせいで損したこと、失ったものもいろいろとあることでしょう。
 
だからこそ、以前のわたしのように眠気で困っている人、あるいは身近な人の眠気で困っている人に、「まずは睡眠時間を伸ばしたらいいんじゃない?」と気がついて欲しいな、と思います。
 
睡眠時無呼吸症候群ナルコレプシーなどの睡眠の病気のせいで眠気が出ることもあります。でも、若い人の慢性的な眠気の原因で一番多いのは、睡眠不足と言われます。病院に行こうかな、という場合も、まずは、睡眠時間を見直すところから始めてみてはどうでしょうか。
 
ただ、もちろん、睡眠時間を増やすのも、言うほど簡単な話ではありません。
わたしの場合も、眠気の原因に気がついてから、人並みに眠くなく暮らせるようになるまで、いろいろありました。その話はまた次の機会に。
 
追記:
続きを書きました。